若い看護師が「看護学校で習うような患者のためのケアなんて建前だ」と悩む。毎日、患者が死なないように看ているだけで精一杯。精神不安になり暴れまわる患者も多い。高齢で認知症を伴う患者が増え、一睡もせず深夜の徘徊を追いかけなければいけない。ひっきりなしに鳴るナースコールに疲れ、どんどん患者に対して冷たくなっていく自分に気づき、激務から「バーンアウト」(燃え尽き)して病院から姿を消していくのだ。日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査」(10年)では、「仕事を辞めたい」が8割に上っている。その理由には「人手不足で仕事がきつい」が最多の46・1%を占めており、次いで「賃金が安い」(37%)、「思うように休暇が取れない」(35・4%)となる。5位の「夜勤がつらい」(30・5%)、「思うような看護ができず仕事の達成感がない」(同)も見過ごせない。さらに、「この3年間のミスやニアミス」が86・9%に上るという多さだ。どんなに優秀な人間でも、忙殺されればミスも起こすだろう。取材のきっかけは、自然な流れのなかにあった。
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